ここでは、日本が世界に先駆けて整備してきた暗号資産規制について、他国との違いや背景を中心に見ていきます。
世界的にビットコインやイーサリアムへの注目が高まる中、投資家保護を重視する姿勢が日本の大きな特徴。
とはいえ、その姿勢が厳格なルールへとつながり、業者や投資家が気軽に参入しづらいとの声もあるのが現状です。
ただ一方で、こうした厳格さは信頼性を高め、取引の透明性確保にも寄与しており、たとえば大手企業や銀行の参入が相次いでいるのは、ルールが整っているからこそ実現しているともいえます。
世界他国ではまだ整備が進んでいない地域も多いため、この点で日本のアドバンテージは小さくありません。
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日本の暗号資産規制の背景
日本政府は早い段階から投資家保護とイノベーション促進の両立を目指してきたのが特徴です。
2014年に起きた国内の大規模取引所の破綻を機に、金融庁が監督権限を強めていく流れになりました。
さらに2017年には改正資金決済法により、暗号資産交換業者は金融庁の登録制となり、厳格なルールに従う必要が出てきたのです。
実際に、口座開設手続きの際には本人確認が必要であるほか、顧客資産の分別管理や不正アクセスへの対策などが求められます。
こうした規制強化は投資家を守る意図がありますが、それゆえに新興企業にとってはハードルが高い面も。
海外ではまだ規制がゆるやかな国もあるので、そこに魅力を感じて拠点を移すスタートアップが生まれるケースも見られます。
世界各国との比較:厳しさの度合い
日本の規制は投資家保護を重視する分、世界的に見ても非常に高い水準といわれています。
たとえば米国では国や州によって管轄当局が異なるため、一貫性のある法整備が遅れがちです。
一方、ヨーロッパ連合(EU)は統一的なルールを策定しようとしているものの、加盟国の事情に合わせた運用が必要になり、やや複雑化する傾向があります。
その点、日本は国として金融庁が主導し、暗号資産交換業者を一元的に監督しているのが特徴的です。
厳格なルールがあるおかげで投資家としては安心感が得られますが、海外の取引所と比べると取り扱い銘柄やサービス内容が限られるといった面もあります。
日本の規制によるメリットとデメリット
ルールの明確化が進むほど安全性が高まる一方で、業界の成長速度に影響が出る可能性も指摘されています。
まず、メリットとしては、やはり投資家保護が充実していること。
不正やハッキング被害などのトラブルが起きた際も、取引所に一定の補償体制が義務づけられているため、ユーザーが泣き寝入りせずに済むケースが多いのです。
ただ、厳格な審査や監査をクリアしなければ取引所がサービスを展開できないため、新しい銘柄や革新的なサービスの導入に時間がかかります。
こうした事情から、海外のほうが進んだサービスを先に受けられるという点で、日本の投資家は物足りなさを感じることも。
これからの動きと可能性
日本の暗号資産業界は、規制とイノベーションの両方を求められる時期に差しかかっており、今後はトークン発行やNFT、DeFiなど新しい技術の取り込みが進むと予想されます。
金融庁をはじめとする当局も、産業の成長を阻害しない範囲でルールの柔軟化を検討しているので、日本でも今後暗号資産の投資に柔軟性がもたらされるでしょう。
また、大手企業だけでなく地方の企業やベンチャー企業からもブロックチェーン技術を応用したビジネスが出てくる可能性があります。
こうした動きを後押しするためには、政府と民間が連携してわかりやすい制度設計を行うことが重要です。
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