この動画では、RAIDについて解説していきます。
▼目次
0:00 自己紹介
0:11 システムの評価指標とは
1:23 冗長化
2:26 冗長化のデメリット
3:10 RAIDとは
3:54 ストライピング
4:38 ミラーリング
5:25 試験ではこう出る(まとめ)
5:48 令和元年度 秋期 問15 過去問題
▼内容
みなさんこんにちは!
「基本情報技術者 絶対合格の教科書」、
著者の高橋京介です。
今回は「RAID」と、
その過去問題について解説します。
システムの評価指標とは
企業は、手作業をコンピュータに肩代わりしてもらうために、システムを導入します。
システムは人間の代わりに24時間365日休まず働きます。
しかしながら、システムの導入にはたくさんのお金がかかるので、
企業は、これから導入するシステムが本当に企業の役に立つのか、
きちんと評価する必要があります。
システムを評価する指標には、主に次の3つがあります。
・性能
・経済性
・信頼性
性能とは、処理が早いかどうかです。
処理が早いシステムほど業務効率が上がります。
経済性は、安いかどうかです。
企業のお金には限りがあるので、費用対効果、
つまりコストパフォーマンスの高いシステムを選ぶ必要があります。
信頼性とは、正常に動作するかどうかです。
不具合の多いシステムでは業務効率が下がってしまいます。
企業は、主にこれら3つの指標を総合的に判断して
システムの導入を決断します。
3つの指標のうち「信頼性」を高める方法として、
冗長化があります。
冗長化
システムを二重に用意することをシステムの冗長化といいます。
冗長化では、システムがサービスを提供し続けるために、
システムを構成するCPUやハードディスク、
ネットワーク機器などの要素を丸ごと2つずつ用意します。
1つのシステムに障害が発生しても、
もう1つのシステムで処理をまかないます。
コンピュータは電子機器なので、
どれだけ丁寧に扱ったとしても、いつかは故障します。
また、災害や事故、使用者の不注意によって、破損や故障したりすることもあります。
ここで大切なことは、故障や破損しない頑丈なコンピュータを用意することではなく、
あるコンピュータが故障しても、
システムが利用者に対してサービスを提供し続けられるようにすることです。
特に銀行や飛行機、原子力などに関わるシステムは、
一部の機器の故障でシステムが停止してしまうと
私たちの生活に大きな影響があります。
そのために、冗長化を行い、信頼性を高めることが重要です。
冗長化のデメリット
しかしながら、システムを構成するCPU、ハードディスク、
ネットワーク機器などの各機器を全て二重にするには倍のコストが掛かります。
そのため、システムを構成する要素の中でも、
データを保存するハードディスクだけを冗長化することで
信頼性を高める場合があります。
CPUやネットワーク機器などは故障しても
交換すれば同じように稼働しますが、
ハードディスクが故障すると
そこに保存しているデータまでも消失してしまう危険性があります。
そうなるとシステム自体が稼働できない状況になってしまいます。
このようなリスクに対処するための技術がRAIDです。
RAIDとは
RAIDとは、複数のハードディスクを、
あたかも1つのハードディスクであるかのように扱う技術です。
RAIDには、RAID 0からRAID 6までの7つのレベルがあります。
このレベルは記憶方式の違いを表します。
信頼性の高さの違いではないので注意しましょう。
また全てのレベルを覚える必要はありません。
ここではRAIDにはたくさんの種類があるのだな、
ということだけを確認しましょう。
試験でよく出題されるのは、RAID 0とRAID 1です。
RAID 0は別名ストライピングと呼ばれます。
また、RAID 1は別名ミラーリングと呼ばれます。それぞれについて説明します。
ストライピング
ストライピングとは、
データを複数のハードディスクに分散させて書き込む記憶方式です。
ストライピングでは、データをいくつかに分割します。
そして分割されたデータを複数のハードディスクに交互に保存します。
ストライピングのメリットは、
システムは複数のハードディスクに同時にアクセスできるため、
データの読み書きを高速化できることです。
一方、ストライピングのデメリットは、
ハードディスクが1つでも壊れると全体が動作しなくなることです。
つまり、ストライピングをしてもシステムの信頼性は上がりません。
むしろハードディスクが増えた分だけ故障するリスクが上がるので、
信頼性は下がります。
ミラーリング
ミラーリングとは、
複数のハードディスクに同じデータを書き込む記憶方式です。
ミラーリングでは、複数のハードディスクを準備して、
それらに全く同じデータを書き込みます。
ミラーリングにするとすべてのデータが冗長化されます。
ミラーリングのメリットは、
1つのディスクが破損しても、別のディスクを使って処理を続けられることです。
一方、ミラーリングのデメリットは、
ストライピングよりも大きなハードディスク容量が必要になることです。
これは費用の増加につながります。
また、データを同時に複数のハードディスクに書き込むため、
処理速度も遅くなります。
以上がストライピングとミラーリングの特徴です。
試験ではこう出る!
・ストライピングとは、
データを複数のハードディスクに分散させて書き込む記憶方式。信頼性は下がる
・ミラーリングとは、
データを複数のハードディスクに書き込む記憶方式。信頼性が上がる
それでは最後に今回の動画の内容が理解できているか、
「RAID」に関する過去問題で腕試しをしましょう。
令和元年度 秋期 問15です。
RAIDの分類において、ミラーリングを用いることで信頼性を高め、
障害発生時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。
ア.RAID 1
イ.RAID 2
ウ.RAID 3
エ.RAID 4
ミラーリングはRAID 1にあたります。
ストライピングは信頼性が下がりますが、
ミラーリングはハードディスクを冗長化するので、
信頼性が上がります。よって、アが正解です。
他の選択肢についても確認しておきましょう。
選択肢イ
RAID 2は、データに「ハミングコード」と呼ばれる誤り訂正符号を加えて、
複数のハードディスクにデータを分散して書き込む方式です。
選択肢ウ
RAID 3は、誤り訂正符号は専用のディスクに書き込み、
データはその他のハードディスクに分散して書き込む記憶方式です。
選択肢エ
RAID 4は、RAID 3と同様の記憶方式ですが、
データの分割をブロック単位で行う方式です。
過去問演習お疲れ様でした!
以上が「RAID」についての解説です。
ではまた次回の動画でお会いしましょう!
ご視聴ありがとうございました!
▼著者紹介
・米サンノゼ州立大学卒業
・元メルカリiOSエンジニア
・著書
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