ギャンブルと聞くと、どんなイメージが思い浮かびますか?厳しい法律?ヤクザ映画?一攫千金の夢?どれも間違いではありません。そう、日本でも古くからギャンブルは文化の一部として存在してきました。それは時代を超えた今も進化し続け、日本のギャンブルシーンも時代と共に成長し、オンライン時代の到来と共に変化を遂げています。それは、海外でギャンブルがランドカジノから、ミスターベットなどのようなオンラインカジノサイトに移行し、席巻しているのと同様。ここでは日本でのギャンブルの歴史と、現在の賭博の一般情報、そして今後期待される日本のギャンブルの行方についても考えていきます。
日本の賭博の歴史
日本において、賭け事は何世紀にもわたって人々の間で遊ばれてきました。今もまだ行われているものとして、闘鶏、さいころ、花札、競馬、などは、いわば日本文化を形作る上で不可欠な部分でもあります。
記録に残っている最古のギャンブルは8世紀、天武天皇の時代に登場した「すごろく」だったと記されています。その後、強盗や喧嘩、ひいては殺人事件も増え続けたため、これを賭博のせいだと考え、禁止令が発令されました。
そして戦国時代の13世紀には、日本で本格的に博打行為が禁止されました。一般人や武士でさえも、博打行為に関与した場合、死刑に処せられる可能性がありました。
しかし、どれだけ厳格な措置を講じてもギャンブル活動を完全に抑制することは不可能だと政府は判断します。その結果、賭けの種類を、軽度の賭博と、より重大な賭博の2種類に分類しました。軽度の賭け形式は合法的な形式とし、これがきっかけで多くのギャンブルゲームが導入されることとなりました。ここに、今私たちがよく知っているパチンコや競馬、宝くじなどが含まれるのです。
そして2018年、ついに「統合型リゾートカジノ法案」が可決となりました。それと時を同じくして、日本では海外に運営拠点があるオンラインカジノサイトが市場拡大しています。
日本で人気のギャンブル市場
現在の日本におけるギャンブルを考える上で欠かせない、パチンコ・競馬・宝くじについて、ここで基本を確認しましょう。
パチンコ・パチスロ
日本で最も人気のある賭博は、もちろんパチンコ及びパチスロ。人気ゲームや映画、漫画やアニメにも度々登場することから、この名は国境を飛び越え、海外の人にもパチンコは日本文化として知られています。YouTubeでは、パチンコを紹介するものもありますね。
日本には12,000以上ものパチンコ店が全国に存在するとされています。現在、日本の刑法において現金賭博は違法です。そのため、勝ってもパチンコ玉をお金に換金することはできません。また、店外にパチンコ玉を持ち出すことも不可なので、店内でトークンに引き換え、そのトークンをパチンコ店のすぐ外にある交換所へ持っていき、トークンを賞品または現金と交換します。
また、パチンコとスロットを掛け合わせたパチスロも大人気ですよね。人気のアニメ・漫画・ドラマ・ミュージシャンのパチスロ機器も多くあり、例えば、韓国ドラマ「冬のソナタ」が大流行した時には、この「パチスロ・冬ソナ」が登場して、ドラマファンが駆けつけて話題になったこともありましたね。
競馬
日本最大のスポーツギャンブルは競馬です。競馬での賭け金総額は、2019年に3兆5千億円以上にも上りました。日本の競馬を取り仕切るのは「日本中央競馬会(JRA)」です。10箇所の競馬コースと、電話及びオンラインで馬券の購入が可能な43のオフトラックベッティング(OTB)施設を運営・管轄しています。国内にはJRAの管轄外の競馬場もいくつか存在していますが、レースの質の高さや、配当の高さなどから、JRAの競馬が最も日本で有名かつ人気です。もちろん、JRA以外の競馬も合法です。唯一の違いとしては、それは地方自治体の運営の下にあり、レースそのものが小規模に行われていることです。
現在、国内で最高峰の競馬大会はジャパンカップ。次いで、菊花賞・有馬記念・高松宮記念などが大きなレースとして知られており、賭ける人も金額も大きいレースです。
宝くじ
宝くじを買ったことがある人はかなり多いでしょう。一般的に宝くじと言うと、あまり「賭ける」とか「ギャンブル」といったイメージを抱く人は少ないのではないでしょうか。実際、抵抗感なく簡単にできる運試しですよね。宝くじやスクラッチカードは、「宝くじ法」に該当するため、個人はその責任を問われることはありません。また、宝くじは47都道府県12の指定都市で可能と定められています。つまり、日本全国ですね。
宝くじの売上は慈善団体への寄付に使われることも有名です。また、宝くじの当選金は原則非課税ですが、贈与税や相続税は課税対象となりますので、注意してください。
日本のギャンブルと今後の展望
さまざまなギャンブルが古くから文化に浸透している日本。そして今、新たな技術の進歩により注目を浴びているのが、オンラインカジノを含めたモバイルベッティングです。ありとあらゆるものがオンラインに移行している今、カジノやギャンブルを、日本国内でもオンラインで広く受け入れていくことは特別驚くことではありません。むしろ、時間や場所に制限されることなく、いままで以上に自由に賭けることができるようになります。
もちろん、日本の賭博法に関して懸念すべき点はあります。しかし、現状としてこの法律は、海外で運営する事業者までは規制することができません。実際に逮捕者が出た事例もありますが、それはいずれも、オンラインカジノを悪用して、実店舗を日本国内で運営し、不当利益を得ていたもでした。法的にも、海外サイトを使うのは違法だと明言は今の時点ではできません。
しかし、IR法案が可決されたことからも、今後日本においてカジノ規制は穏やかに緩和されていくだろうと考えられます。それはオンラインカジノやモバイルベッティングにおいても言えます。また、経済産業省は、『日本はスポーツ賭博が広く禁止されている唯一のG7加盟国』だとし、この規制緩和を促す提案も続けています。
ほとんどのカジノは長期に渡り、日本で完全に禁止されてきました。が、日本にはオンラインも含めた全てのカジノ産業が発展する潜在的な市場を持っていることは否めないでしょう。それは、歴史的に考えても賭博が古くから行われ、そして現代においても規制はあるものの容認されていることからも分かります。そして、日本の厳しい財政状況を考えた時に、カジノやギャンブルからの税制は大きな助けとなってくれるはずです。たとえ海外の他の国から遅れをとっていたとしても、日本のギャンブル市場はまだ大きな爆発力を秘めています。
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